私を本気にさせないで
そもそも恋愛なんて二度としないつもりだったのに、いつの間にかこんなにも彼のことが好きで堪らなくさせられてしまったんだ。


さきほどと変わらず、少年のような眩しい笑顔のまま私を見つめる彼。
その笑顔に胸はギューっと締め付けられ、愛しさが沸き起こる。

彼は「俺の方が大好きすぎると思う」と言っていたけれど、それは違う。
だって……。


「違うよ」

「え?なにがですか?」


意味の分かっていない彼の耳元でそっと囁いた。



「絶対私の方が、大好きすぎると思う」って――。
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