私を本気にさせないで
その後は彼にされるがままだった。
徐々に深くなる口づけに、なにも考えられなくなっていって、いつの間にか彼のキスに応えている自分がいた。

そのまま彼に軽々と抱き抱えられ、今こうして組み敷かれてしまっているわけだけど、私の心臓は壊れてしまうんじゃないかってほど、激しく動いていた。


弥生に付き合い始めた日とかイブの日にシなかったことに、酷く驚かれてしまったけれど、それは彼が私の気持ちを汲み取ってくれてのことだった。

あの時の私はただ彼と気持ちが通じ合えただけで嬉しくて堪らなくて、正直それ以上のことなど想像できなかった。
でも今は違う。

彼と付き合い始めて一ヵ月が過ぎて、心の準備はできている。
それに私だって早く彼とそういう関係になりたいと願ってしまっていた。
< 122 / 125 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop