私を本気にさせないで
「もー……明日、どんな顔をして会えばいいのよ」

考えただけで溜息が漏れてしまう。

しかも去り際、悔しまぎれに捨て台詞吐いてきちゃったし。
あんなの、動揺しまくっていることバレバレだったよね、きっと。

彼にとって今日のキスは、本気だったのか遊びだったのか、私には分からない。
だけどただの後輩だと思っていた男性からのキスは、驚くほどの破壊力を持っていて、ずっと彼のことばかり考えてしまっていた。

それはお風呂を出て夕食を食べて、ベッドに入ってからもずっとだった。


本当に最悪だ。

もう二度と本気の恋愛をしないと決めていたのに……!

大森君ってばこの責任をとうやって取ってくれるというのだろうか。

いつの間にかドキドキは怒りに変化していったけれど、結局この日は終始彼のことばかり考えてしまい、なかなか寝付けることが出来なかった。

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