私を本気にさせないで
戻る途中、休憩スペースから白田先輩の話に足は止まってしまい、話をしている他部署の先輩達に見えない位置に咄嗟に隠れてしまった。

「白田さんって確か広報部の笑顔が可愛い子だろ?」

「そうそう、ずっと前からちょっといいなって思っていてさ」

缶コーヒーを飲みながら、世間話をするように彼女の噂話をされ、なんだか気に食わない。

白田先輩の笑顔が可愛いって部分にはもちろん頷けるけれど、自分と同じように他の男が感じているとなると、それはそれで面白くない。

ならさっさと聞いていないフリをして通り過ぎればいいだけの話だけど、彼達の話の内容が俺も気になっていた。

白田先輩はいつも仕事に真面目に取り組んでいる。
だからほとんど毎日残業しているし。
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