私を本気にさせないで
本当、最初はただの冗談かと思っていた。
少し経てば飽きるだろうと高を括っていた。

だけどそんな私の思惑とは反比例するように、日に日に彼はストレートな気持ちを口にするようになってきた。
それでもあの日のように無理に迫ってくることは一度もなくて、ただ純粋に私のことを想っていると伝えてくる。

一ヵ月も経てば、そんな彼の気持ちを感じるようになってしまい、正直私は戸惑っていた。

あの日までみんなが知るような彼しか知らなかった。
でも、こうなって見えてきた一面もある。

年下らしく可愛い一面も、意外と甘え上手なところも。
それなのに、時折見せる男らしい一面にドキッとさせられたりもした。
< 31 / 125 >

この作品をシェア

pagetop