私を本気にさせないで
「じゃあどうしてもう三年も経っているっていうのに、いまだに新しい恋愛していないのよ。……おまけにもう本気の恋愛なんてしない宣言までしちゃって」

だいぶ酔ってきたのか、捲し立てるように言ってくる。

「そもそも二十六の小娘のくせに、世の中の男全てを知り尽くしたような言い方、やめなさいよね!」

「……別にそんなこと言っていないから」

彼は私にとって初めての恋人だった。
今でも思い出すと苦しくなる。

「なーに言ってるのよ!たかが浮気されていたくらいで、なによ!むしろ早くに奴の浮気が発覚して良かったじゃないの!」

「そう、だけど……」

彼とは高校の同級生だった。
高校二年生の時同じクラスになり、隣の席ということもあって色々と話す機会が沢山あり、いつの間にか彼に惹かれている自分がいた。
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