私を本気にさせないで
だって仕事だけは私を裏切らないから。
頑張った分だけ結果として結びついてくる。
遣り甲斐を感じられる。

だからもう恋愛など二度とせず、仕事に生きる女になろう。
あんな裏切りを経験するのは、一度だけで十分。……そう、思っていたんだけど、な。


「私は大森君、いいと思うよ?つーかあんたみたいなめんどくさい女には、大森君のような無邪気な年下男子が合っているのよ」

酔っている弥生はビシッと指差して断言してくる。

「失礼ね、めんどくさい女とか」

「だって本当のことじゃないーい。たった一度の失恋も乗り切れない痛い女なんだから」

酔っているからかいつもよりも、心をえぐるようなことばかり言ってくる。
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