私を本気にさせないで
「おい!まさか今になって不参加とか言い出せねぇよな?」

大竹の鬼気迫る迫力に圧倒されつつも、このまま大竹主催のパーティーに参加するわけにはいかない。
悪いと思うものの、このまま内緒でドタキャンするわけにはいかない、と思い、覚悟を決め大竹に謝罪した。

「あー……その、悪い大竹。俺、行けないんだ」

すると案の定大竹は絶望に満ちた表情を見せたものだから、居たたまれなくなる。
でも本当、イブの日だけはダメだ。

「その、さ……俺、ずっと好きな人がいてさ。……その人とその日にデートできることになったんだ」

すると俺の話が意外だったのか大竹は驚いたように声を漏らした。

「好きな人って……まさか大森の片思いとか?」

「そう」

即答すると、ますます大竹は驚き目を見開いた。
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