私を本気にさせないで
あまりに気持ち良く打ち明けてくるものだから、こっちも何も言えねぇじゃねぇか。

「あぁそうしてくれ。それと!今回は許してやるけどもう二度と俺の名前使ったりするなよな。……彼女の耳に入ったら困るし」

変な誤解なんてさせたくない。
ましてや彼女は過去の恋愛に強いトラウマと傷を負っているのだから。
そんな彼女に俺はいつだって誠実でいたい。

「分かっているって。……頑張れよ、デート!」

「サンキュ」

そのまま大竹と肩を並べ、会社へと向かっていった。



その日も特に変わったことはなく、相変わらず白田先輩は可愛くて、目が合えば必ずなにかしら合図を送ってくれた。
その仕草にますますイブの日が待ち遠しく思えて仕方なかった。

そして日は過ぎ、イブを明後日に控えた今日。
なぜか朝挨拶した時は普段と何ら変わりなかったというのに、休憩から戻ると彼女の様子は一変してしまっていた。
< 99 / 125 >

この作品をシェア

pagetop