My voice My language
出会い
桃side
声が出ない。
私が抱えている障がいであり弊害。
でも、自分では障がいだと思いたくなくて、いつかは声が出ることを信じてこの年まで手話とか習いたくなかった。
歌…聴けるのに歌えないなんて。
会話…聞けるのに話せないなんて。
兄弟はみんな声が出るのになんで私だけって小さい時から親を恨んできた。
恨んで恨んで…
でも、そんな事しても声が出ることなんてなくて悔しくて悲しくて、気づけばいつも泣いてきた。
どうにか人と話したくて筆談をしてた。
たくさんたくさん話したいことを書いて…
度々腱鞘炎になって思うように字が書けなくなった時もあった。
辛くて出ない声を出しながら泣いた。
そんな自分すら惨めだった。
小学校の頃は人と遊んでいれば、外に出ていれば誰かが居て、とりあえずいれば誰かと遊べたし、そんなこと気にする人なんてそういなかった。
スポーツだったら、声を出さなくてもプレイしてれば自分の存在が少なからずそこにはあった。
けど、中学に上がるとそんなこともなくなって、授業とか受けにくいから養護学校を勧められた。
でも、私は嫌だった。
声が出ないだけでほかは何一つ変わらない。
知能も身体能力も。
だから普通の学校に通った。
けどやっぱり、声の有無は大きくて筆談だとあまり多くは話せなくて、そういうのが嫌で人の波から外れた。