放課後コイ綴り
部室にわたしの足音と紙をめくる音、それから一条くんがホッチキスで紙の束を冊子の形にする音がしている。
約1週間ほどで無事に印刷を終え、わたしたちは製本作業に入っていた。
冊子にした時におかしくならないように折り目をつけ、順に束ごとに机の上に並べた。
そしてそれを流れ作業のごとく、1枚ずつ重ねていく。
間違えて取りすぎていないかの確認までがセットなんだ。
それを何度か繰り返して、ある程度ストックが貯まったところで一条くんはホッチキスで綴じる作業に。
ずれがないように整えて、折り目のところでふたつ留める。
これはわたしが1年生の頃にホッチキスが硬くて失敗しちゃったから、させてもらえないんだ。
専用のホッチキスは普通のものより値段が高いから、持たせるのが不安なんだって。
ちょっとショックだよね。
ふたりきりで製本をするようになった時、初めは時間もかかるし戸惑ったけど、もうすっかり慣れた。