放課後コイ綴り
わたしたちはいつも部誌ができたら、お互いの作品の感想を伝えあっている。
気になったところの注意とかもして、今後の技術向上のために色々頑張ってたんだ。
今回の感想会は過去の部誌も振り返ろうかと、悩んだ末にふたりで最後の日に決めた。
だから、ちゃんと感想を言えるかなぁなんて憂鬱に思いつつ、彼の作品を読んでいたんだけど、
「一条くんの話は、すごいね……」
あっという間に呑まれて、感傷なんてかき消された。
どうしてこんなに綺麗なのに、痛くて汚れた話を書けるんだろう。
そもそもこれらが全て兼ね備えられている文章ってどういうこと?
「相原は大袈裟。たいしたことないよ」
「たいしたことないって、そんな……」
「俺は相原の話の方がよかったと思う。
妖精も愛嬌があって魅力的だったし、視点がリアルだった」
「えっと、うん。ありがとう」
そのまま互いに感想を伝え合う。
面白かったところ、表現がよかったところ、好きだったところ。
展開の持っていき方には注意もしてもらった。
これは今後の課題だ。