放課後コイ綴り
ひととおり話をして、満足いくまで作品に対しての想いをぶつけた。
もう、なにも言うことはない。
掃除をして過去の部誌をまとめておかないと。
余ったコピー用紙は木下先生に使ってもらえないかなぁ。
……よし、卒業までに訊いておこう。
とんとん、と部誌を整える。
「相原」
名を呼ばれて、え? と一条くんへと目を向ける。
通路を挟んでふたり、視線が絡み合う。
「俺、相原の文章が好きだった」
突然の褒め言葉に戸惑ってしまう。
だって、文字を扱う者にとって、それを好いてもらえることは特別。
しかもその評価が好きな人からだったら、喜びもひとしおだもん。
「……最後がお前とでよかったよ」
息を呑む。
目を見開く。
「わたしも!」
反射のようにそんな声をあげた。
言葉で彼のブレザーの袖を掴む。
「わたしも、君とでよかった」