放課後コイ綴り
「今、デ、も、ず、つ、と……」
あれ、と引っかかるものを感じる。
口の中で何度も言葉を転がす。
そして、正しい文章として受け取ったわたしはひゅうと息を呑んだ。
今でもずっと。
黒いインクでありながら、まるで真っ白で美しい。
きらきらと輝いて見えるような、そんな言葉が刻まれていた。
はやる気持ちを必死で抑えつけながら、ページをめくる。
一条くんがこっそりと隠していた、わたしへ向けられた言葉を探す。
ぺらりぺらりと、本編部分、彩先輩のあとがき、もう1度解説。
必死で文字を繋げて、単語にもならないそれらに焦って、それでも〝今でもずっと〟のその先を求めて。
ようやく、見つける。
表紙をめくったら見えてくる、扉ページ。
そしてその次の、目次。
ああ、ただそばにいるだけで
いつもと違うこの場所に
はらりと煽られ、触れ合った
らくせず作った言葉を集めて
がらくたみたいで愛おしい
すなおになりたい、君に言いたい
きっと想いはその胸に
気にとめていなかった章タイトルをひとつひとつ、拾いあげたなら。
────あいはらがすき。