たとえば呼吸するみたいに
「あんたなにバカなことやってるの?
うまいことやれるわけないんだから、いつも通りうるさい咲姫のままで会いに行けばいいのに」
「いたっ」
自分の席でうつ伏せつつも、八つ当たりで机をガタガタいわせていた。
そんなあたしの頭を「うるさい」と言ってぺしっと叩いてきた人がひとり。
それはあたしの1番の友だち・有村 悠里(ありむら ゆうり)。
ショートカットの似合うすっごく綺麗な子で、今まであたしのしでかしてきた数々のバカなことの尻拭いをしてくれた、お姉さまって感じ。
いつもお世話になってて、すごく感謝してるんだ。
まぁ、どう頑張ってもあたしのバカは直らないからねー。
迷惑かけてばっかりなんだけど。
元々の悠里の性格とあたしのバカっぷりのせいで、対応は基本的に雑だ。
今みたいになかなか容赦ないんだよね。
「うう、悠里さん、今のあたしの心はズタボロなの。優しくしてやって……」