たとえば呼吸するみたいに




「あんたと大庭は、毎日仲よくいちゃつきながら登校して来て。
今更取り繕うような関係じゃないでしょう?」

「えーっとね?
いつも言ってるけどいちゃついてないんだよ、これが」



そんな、ねぇ。

確かに毎日かかさず登下校は一緒だけど、あれは別にいちゃいちゃしてるわけじゃないし。



「あーもう、うるさい!
変なところで突っかかってこないでよ、話が進まない」

「スミマセン」



怒られちゃったよ、なんでだ……!



「あんたたちはね、傍から見たらただの両片想い。すれ違ってるだけなのよ」



まったく、見てるこっちがどれだけじれじれさせられていることか! と悠里さん、ご立腹。

そんな怒らないでよ。



「で?」

「えっと、悠里さん『で?』ってなんですか」

「いつ告白するの?」



待ってなんの話。

どうして告白することになってるの⁈



「だから言えないんだって」



ぐでん、と体が溶けたかのようにまた机に全てを預ける。



あーもう。

本当に、このまま溶けちゃいたいなー。






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