たとえば呼吸するみたいに
ため息を吐きながら食卓について、彼もあたしと同じ朝ごはんを口にする。
「おいしいね!」
「……そうだな」
そう返す玲にちらりと視線をやる。
あたしのスカートと同じ、スタンダードなグレーチェックのスラックス。
シンプルなえんじ色のネクタイ。
目立った着崩し方はしてないのに、安定のかっこよさ。
適度な感じが玲の黒髪に似合ってるんだよねぇ。
あたしの髪は玲とは対極の茶髪。
染めてるわけじゃないんだけど、日に焼けてるうちにこんな色に。
ボサボサになりやすいからもう始めからお団子にして。
キャラじゃないけどもらいものだから許されるよね、と使っている白い花柄のシュシュをつけている。
あたしと違って背は高いし、その分足が長いし。
うるさいと怒られることも、バカな行動をすることもない。
自慢の幼馴染だ! と頷いていると、彼が席を立つ。
「鞄取ってくるから待ってろ」
「はーい!」
今日もまた、あたしは大好きな彼の隣を歩いて学校へと向かうのだ。