たとえば呼吸するみたいに
嬉しいはずの彼の温度がどうしようもない恐怖を誘う。
振り払ってしまいたいような、逃げ出したいような、そんな気持ちになる。
玲がなにを言おうとしてるかがわかって、拒否を示すために何度も首を横に振った。
さっきの玲よりずっと激しく振ってるのに、玲はやめる様子がない。
やだ。
……やだ。
それ以上言わないで。
あたしがバカなこと言ったせいだけど、それでももうその先は聞きたくない。
玲、……玲、お願いだよ。
お願いだから、だから、────
「だってお前は俺のこと、好きじゃないから」