たとえば呼吸するみたいに
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学校に着いてしまえば、どんなに複雑な心境だろうとそんなことは関係なくて。
玲と離れがたくても、しぶしぶであろうとも、自分の教室に入ることになる。
そうなれば、ほら。
もう今日1日、校内で話すことなんてあんまりない。
恋人同士じゃないんだから、休み時間のたびに廊下でおしゃべり、なーんてありえない。
仮にあたしがしたいって言ったとしても、玲に面倒だのバカだの散々言われてこの話が終わる様子が目に見える。
うう、想像上のあたし、可哀想っ!
あたしと玲。
体育の時には顔を合わせるし、登下校も一緒。
隣の教室に確かに彼はいて、会いたかったらすぐに会える。
家にだって玄関から5分、ベランダからは1分で、驚くほど簡単に行き来ができる。
それでもやっぱり、なにかが少し違う。
うーん、……難しいよ。
幼馴染って、それだけで近くにいることができるのに。
でもやっぱり、どこか他の人とは違う複雑な関係でもあるんだ。
それは、特にあたしたちだからってこともある。
あたしのせいで、恋愛感情の混じらない真っ白な関係の幼馴染とは、……違うから。