無口なセンパイに恋した仔羊
・・・目が覚めた私は、目の前の光景に瞬きした。

辺りはすっかり明るくなっていて・・・何より、ここは、自分の部屋じゃない。

ゆっくり起き上がろうとするが、体がだるくて、めまいがして、ベッドから落ちそうに。


「…バカ!…あぶねぇな」


そう言って私を支えたのは…進藤さんで。

私は驚きの眼差しで、進藤さんを見つめた。


「…そんな状態で、1人にはできねぇだろ」

そう言って溜息をついた進藤さん。


「・・・すみません」

私はシュンとなり、俯いた。


「…もう少し寝てろ」
「でも、仕事が」

私の言葉に、進藤さんが怒った。

「あんなの誰にでも出来るだろ?お前の親友が、全部やってくれてる」

…小春の事だ。・・・小春にも、迷惑をかけてしまった。

…本当、私って、ダメダメだ。そう思うと、溜息しか出なかった。


「…とにかく今はもう少し横になってろ。おかゆ出来るから」
「…?!そんな事まで・・・」
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