無口なセンパイに恋した仔羊
「…私から離れないし、ダダこねる子供みたいなとこもあったり、見てて驚きました」

そう言って、クスクス笑う。

「…引いた?」
「…全然。むしろ、嬉しいです」

「…」
「だって、こんな琉偉さん知ってるの、私だけだから」

私の言葉にホッとしたのが、私をぎゅっと抱き締めた。

…そんな甘い時間は一日中。

夜に、やっと、自分の部屋に帰る。

…早く帰りたかったはずなのに、今ここに、琉偉さんがいない事が、凄く違和感を感じて。

…早く琉偉さんに会いたいと思ってしまう。

…これはまるで、中毒のようだった。

…隣の部屋に、琉偉さんがいるのは分かってる。

でも、いや、だからこそ、琉偉さんが今何してるのか、気になって、中々眠りにつく事ができなかった。
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