無口なセンパイに恋した仔羊
4.指一本触れさせない
…次の日。体調も万全になり、出勤した。

…オフィスに入った途端、目に入ったのは、琉偉さんと綾人さん。

2人は仕事の打ち合わせをしている最中みたいだった。

「…おはようございます」

笑顔で挨拶するも、複雑な心境になる。

彼氏になった琉偉さん。…ふってしまった綾人さん。

そんな2人と、同じオフィスで働くのは、心臓に悪い。

「…おはよう。美鈴いい所に来た。これ、目を通しておいて」

「…企画書、ですよね?」

綾人さんに渡された企画書を見つめて呟く。

「この企画、俺と琉偉の企画なんだけど、美鈴にも手伝ってもらおうと思って」

「えっ⁈私も手伝っていいんですか?」

まだまだ雑用をこなしているのに、こんなに大きな企画に参加していいんだろうか。

「いつまでも、雑用ばかりじゃ、企画なんて出来ないだろ」

「部長にも、了解とってるし、ミスを恐れないで、やってみよ、俺たちがサポートするから」

琉偉さんと綾人さんの言葉に、笑顔で答えた。

「よろしくお願いします」
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