無口なセンパイに恋した仔羊
…次の日。

大好きな人の腕の中で目覚める事の幸せを感じながら、ゆっくりと目を開けた。

「…おはようございます」
「…あぁ、おはよ」

目が合うと、なんだか気恥ずかしくて、笑ってごまかす。

そんな私のおでこにコツンと指を当て、琉偉さんは、フッと笑った。

…甘い時間は、ここまで。仕事に行かなくては。

2人で朝食を食べ、私は自分の部屋に戻り、身支度を済ませると、別々に出社した。

…オフィスに入ると、綾人さんはもう仕事を始めたいた。

…琉偉さんも、仕事の電話中。

2人は、昨日の事など、なかったよう。

…私だけかな。気まづいのは。

「…おはようございます」
「…おはよう」

綾人さんが、いつものように、笑顔で返してくれた。
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