無口なセンパイに恋した仔羊
ショック過ぎて、声も出ない。

「琉偉はやめとけ。美鈴には、荷が重すぎる」

何も言えないでいる私にそう告げた綾人さんは、オフィスを出て行った。

…進藤さんは、私を好きじゃ、ない。

告白する前に失恋なんて、そんなの嫌!

「…私は…進藤さんが好きだもん!…⁈」

…死んでしまいたい。

「…新垣」

そう言ったのは、他の誰でもない、進藤琉偉だった。

「…す、好きですよ!大好きです!同じ部署の先輩ですから!」

…苦しい言い訳だ。

…あ。顔色一つ変えないで、進藤さんは自分のデスクに座るとさっさと仕事を始めてしまった。

…そうか、そうだよね。進藤さんは、私の事なんて、眼中にないんだし、なんとも思わない、よね。

「…真面目な告白なら聞かないでもない」

…へ?
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