無口なセンパイに恋した仔羊
キョトンとした顔で、進藤さんを見た。

「…ッ!く〜‼︎」

そんな私のおでこに、強烈なデコピンをした進藤さん。

私は、痛みのあまり、おでこを押さえて、悶絶した。

「マヌケな面してんな」

そう捨て台詞を吐いた進藤さんは、カバンを持つと、オフィスを出て行った。

…痛みで、さっきの言葉を忘れそうになるも、ハッと我に返る。

「…あれは、どういう意味⁇」

言葉に出してみるものの、頭が混乱して、さっぱりわからない。

「…仕事、しなきゃ」

考えても、わかりそうにない私は、黙々と仕事をこなした。


…次の日の朝、早朝にオフィスにきた私。次に来たのは、綾人さんで。

私は、昨日残念して仕上げた書類を差し出した。

「ありがとう、助かった…って、どうしたそのおでこ」

…おでこ?
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