無口なセンパイに恋した仔羊
「…デコピン」
「は?デコピン?誰に?」

私の言葉に、首をかしげた綾人さん。

「…進藤さんに」
「…⁈」

「…どうかしました?」
「…え?…いや、何でもない。なぁ、美鈴」

「…はい?」
「…俺と付き合わないか?」
「…⁈」

驚く私の後ろから、他の社員達が、出勤し始めた。

「…考えといて」

そう言って微笑んだ綾人さんは、私の頭を優しく撫でて、自分のデスクに戻って行った。

…昨日から、色んな事が沢山ありすぎて、頭がついていかない。


…そんな私を気に掛けてくれたのは、同期の小春だった。

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