絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～①

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《mother》という年に生まれたあたしたちは、生まれたときに全員が体内にICチップを埋め込まれている。


そのチップが自分たちの感情や行動をすべて把握しているのだ。


今ここにいるみんなの体内にも、そしてあたしの体内にもチップは存在している。


チップの存在が抑止力となり、争いごとなどほとんどない都市が実現できている。


ここで暮らす市民たちはみんなそれを理解し、《mother》に協力していた。


「俺たちいつまでここで待ってればいいんだろうな」


翔吾が呟く。


確かに、時計はないけれど目覚めてから数十分ほど経過しているように感じる。


部屋の中にいる50人ほどの人たちもほぼ目が覚め、ざわつき始めていた。


あたしは翔吾の手を強く握りしめた。


薄暗い空間がやけに不安を駆り立てている。


わざわざこんな部屋に集める理由はなんなのだろうと。


困惑が広がって行ったとき、どこからか人の声が聞こえ出した。