絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～①

ルーム6

しばらくその場で自分たちがどうやってここまで来たのかを話していた時、正面の巨大モニターが音も立てずに映像を映し出した。


画面に映し出されたのは、つい数時間前に自分たちが脱出してきた《奴隷部屋》の様子だった。


画面は5つに分割されていて、年代別に部屋が写っている。


《奴隷部屋》の中はどれも沢山の人たちが窮屈そうにひしめき合い、時々泣いている人や叫んでいる様子の人もいた。


それはまるで人間家畜小屋のような状態で、見ているだけで胸の奥がムカムカしてくるのを感じた。


音声が出ていないのがまだ幸いたったといえるだろう。


しばらくその様子を見ていると、今度は部屋の中に黒いスーツを着た大きな体の男が1人ずつ入って行った。


「あの男たちは？」


夏子さんが画面に食い入るようにして身を乗り出し、誰ともなくそう聞いた。


「わからない」


昭代さんが答える。