絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
「これ、さっきの人たち?」


夏子さんが言う。


「わからない」


勲さんがそう答えた。


画面の男にはこちらの音声が届いているようで、「私が誰であるか、それは今あなた方には関係のない事だ」と、言った。


「一体、俺たちに何をする気だ!」


音声が届いているとわかった瞬間、優也さんがそう声を上げた。


「そうよ! ここまで来たのに、いつ外に出られるのよ!!」


夏子さんが叫ぶように言い、画面に向かって唾を吐いた。


その瞬間、夏子さんの体がビクンッと跳ねて動きを止めた。


「夏子さん!?」


慌てて駆け寄ると、夏子さんが小刻みに痙攣しているのがわかった。


「モニター越しといえど、人に唾を吐きかけるのはやめてくれないかな」


そう言い、低い声で笑うスーツの男。


「こいつが首輪を操作してたのか……」


勲さんが呟く。


そうだ、あたしたちにはまだ首輪が付いている。


相手を怒らせるのはよくない。
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