絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
その血は向かい合った鏡によって何重にも重なって見える。


「ここに印をしたら昭代さんにもバレちゃうんじゃないですか?」


「出口がバレたって問題にはならないよ。出られるかどうかもわからないんだから」


その言葉に、あたしは頷いた。


優也さんの言う通りだ。


この部屋から出られるかどうか、まだわからない。


来た道を引き返しながらあたしは鏡の迷路に違和感を覚えた。


「優也さん、この迷路ってこんなに狭かったでしたっけ?」


確か、ここへ入って来た時は横に3人が並ぶほどのスペースがあったはずだ。


でも今は、2人で歩くスペースしかない。


「もしかしたら、迷路自体が狭まっているのかもしれないな」


優也さんの言葉に、あたしは天井が迫って来た時の事を思い出していた。


あれと同じ事が起こっているのかもしれない。


この部屋にもタイムリミットがあるという事だ。
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