絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
「嫌だよ……」


ドアを開けようとする優也さんへ向かって、あたしは言った。


「え?」


「そのドアを開けたって、きっと外には通じてない!」


あたしは優也さんの手を握りしめてそう言った。


「朱里ちゃん……」


「だから……開けなくていいよ」


あたしは精いっぱいの笑顔でそう言った。


「朱里ちゃん!」


優也さんはドアノブにかけていた手を離し、あたしの体を強く抱きしめた。


「怖いのは、俺も同じだ……」


「優也さん……」


「でも、行かなきゃいけない。このドアを開けなきゃ、前には進めない」


優也さんはそう言い、あたしの体をそっと離した。


が、すぐに優也さんの顔が近づいてきた。


あたしは目を閉じる暇もなく唇を奪われていた。
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