絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
怒りたいのはあたしも同じだけれど、相手は映像だ。


あたしたちの前に直接姿を見せる気なんて、最初からなかったのだろう。


あたしはそっと着替えを手に取った。


相手がどこから見ているのかわからないが、なるべく壁に身を近づけて服を脱ぐ。


そうしていると優也さんがあたしの体を隠すように立ってくれた。


前には壁。


後ろにはあたしに背を向けて立つ優也さん。


そんな状態だ。


「……ありがとう」


とても近い距離に、自分の頬がカッと熱くなるのを感じる。


あたしが体を動かすたびに、ぶつかりそうになる。


外へ出れば次のゲームが待っている。


そうわかっているのに、2人で外へ出られる喜びを感じていたのだった……。
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