絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
☆☆☆
手を伸ばせば日常生活が目の前にある。
それなのに、その手前には金網が張り巡らされていた。
あたしと優也さんは無言のまま《mother》の敷地内を歩いていた。
こうして歩いていると外周もかなりの広さがある。
けれどそのどこもちゃんと手入れがされていて、プランターに沢山の花が咲いている。
それはまるでこの建物の内部で行われている汚いものを覆い隠しているようにも見えて、吐き気がした。
「出口はどこだろうな」
「わからない」
あたしは周囲を見回して首を振る。
その時だった。
目の前から1人のスーツの男が歩いてくるのが見えて、あたしたちは足を止めた。
一瞬映像のあの男かと思ったがやはり違う人物だった。
でも、《mother》の人間であることに間違いはないだろう。
男はあたしたちの前まで来ると、茶色い封筒を突き付けて来た。
「なんだよ、これ」
受け取らずに優也さんがそう聞く。
しかし、男は返事をしない。
封筒はあたしたちの前に差し出されたままだ。
手を伸ばせば日常生活が目の前にある。
それなのに、その手前には金網が張り巡らされていた。
あたしと優也さんは無言のまま《mother》の敷地内を歩いていた。
こうして歩いていると外周もかなりの広さがある。
けれどそのどこもちゃんと手入れがされていて、プランターに沢山の花が咲いている。
それはまるでこの建物の内部で行われている汚いものを覆い隠しているようにも見えて、吐き気がした。
「出口はどこだろうな」
「わからない」
あたしは周囲を見回して首を振る。
その時だった。
目の前から1人のスーツの男が歩いてくるのが見えて、あたしたちは足を止めた。
一瞬映像のあの男かと思ったがやはり違う人物だった。
でも、《mother》の人間であることに間違いはないだろう。
男はあたしたちの前まで来ると、茶色い封筒を突き付けて来た。
「なんだよ、これ」
受け取らずに優也さんがそう聞く。
しかし、男は返事をしない。
封筒はあたしたちの前に差し出されたままだ。