絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～①

周囲を見回して見ると、ここにいる全員の首に同じような銀色の首輪が付けられていることがわかった。


少年は首輪と首の間に指を突っ込んで無理矢理取ろうとしてるが、びくともしない。


「何か書いてある」


少年の首輪には何か文字が刻まれていて、あたしは身を乗り出してそれを読んだ。


「《mother》」


確かに、首輪には英語で《mother》と書かれている。


「《mother》って、あの《mother》か？」


「たぶん、そうだと思うよ」


あたしは少年の言葉に頷いた。


《mother》とは、あたしたちが暮らしている都市の名前だ。


少し変わった名前だが、《mother》という大きな建物が中心に立っているため、その名がついた。


人口10万人ほどの都市だ。


「と、言う事は、ここは下位レッテル者の集まる場所だね」


あたしはそう言い、ホッと息をはきだした。


てっきり妙な団体に集団誘拐でもされてしまったのかと思ったが、ここが《mother》の中ならまず安心だ。