絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
それでも桃乃は生きていた。


真っ赤に腫れ上がった唇で「助けて……」と、まるで死人のような声を出す。


あたしは桃乃を黙らせるため、その口に棒を突っ込んだ。


そして棒に体重をかけて気道を塞ぎ、窒息死させたのだ……。


自分がここまでできるなんて思ってもいなかった。


しっかりと意識があるままに、こうすれば桃乃は死ぬと考えながらの行動。


辺りは血まみれで、桃乃が苦しんではい回った手形が付いている。


あたしはそれらから視線をそらし、まだ倒れている翔吾に目をやった。


「翔吾……」


その場に膝をつき、翔吾の頬に触れる。


すると手についていた桃乃の血が、翔吾の頬についた。


「翔吾、ドアは開いたよ……ねぇ、起きて?」
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