絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～①

☆☆☆

バン！


たった一発の銃声が狭い部屋に鳴り響き、辺りに火薬の匂いが漂った。


息苦しさはあるが、体に痛みはない。


真っ暗な世界から脱出するようにあたしは目を開けた……。


その瞬間、目の前で倒れている翔吾が見えた。


手には拳銃が握られたままになっていて、頭には銃で撃たれた穴が開き、血が流れ出している。


「なんで……？」


目の前の光景が理解できなくて混乱する。


せわしなく周囲を見回し、「え……なんで？」と、独り言を繰り返す。


「翔吾……嘘だよね！？」


ようやく翔吾の体に触れて、その体から力が抜けているのがわかると、次に涙が浮かんできた。


「どういうこと？　なんで？　どうなってるの！？」


たった1人になって、あたしをなだめてくれる人もいない。


混乱は混乱を呼び、あたしは死体になってしまった翔吾にすがり付いた。