オトナな部長に独占されて!?
「へぇ〜、すごいなぁ。
雲の上の人なんですね〜。憧れるな〜」
「そうか? なんかムカつかない?
俺はまだ認めねぇよ。
若僧のくせに生意気な……。
見た目のよさで、イギリスマダムとか引っ掛けて仕事取ってたんじゃねぇの?」
「先輩、敵意むき出しの発言ですね。
うーん、でも確かに、俺よりも若いのに……上に立たれるのはちょっと……」
「だろ? 向こうでは認められてたのかもしれないけどよ、意気揚々と本社にやってきて、これで権藤部長の時より業績落ちたら、鼻で笑ってやるさ」
そうだよね……。
みんな心に複雑な感情を持っている。
すごい経歴の持ち主を単純に歓迎できるほど、ビジネスの世界は綺麗じゃない。
私も同じ。
自分だって認めてもらいたいのにという思いが、先行してしまう……。
汚いな。私って、心が醜いのかも。
そんな想いにちょっとだけ反省モードに入っていると、コピー機の前の壁に貼られている注意書きの紙が目に入った。