オトナな部長に独占されて!?
「私……葉月部長が好きです。
こんな気持ち初めてで、どうしていいのか分かりません。
心の中が部長でいっぱいで、苦しいです。
この気持ちをどうやって制御すればいいのか、教えてください」
「制御する必要はありませんよ。全て私にぶつけてください。喜んで受け止めますから。
ただし、それは二人きりの時だけに。社内では秘密にしましょう」
私と部長の付き合いは、秘密に……。
ちょっと寂しい気もするけど、確かにその方がいいかも。
部長を狙っている女子社員達に突っかかってこられても面倒だし、仕事に影響が出るのは困る。
それに、私の昇進理由が恋愛絡みだとあらぬ噂を立てられたら、葉月部長に迷惑をかけてしまうから。
私を抱きしめる葉月部長の腕に、ぐっと力が込められた。
頬をくすぐる、焦げ茶色の髪。
艶めいたバリトンボイスが、耳元に響く。
「円香さん」
「えっ? は、はい」
「ランチは済みましたか?」
「いえ、これからです」
「では、ご一緒に。
外に出て、美味しい物を食べましょう。
もちろん、社の皆さんには秘密で」
「はい!」
葉月部長の胸から顔を離して、目を合わせて笑い合う。
これは秘密の社内恋愛。
なんだか、くすぐったい響きだね……。