オトナな部長に独占されて!?
知らなかった。
私って、こんなにも嫉妬深い女だったんだね。
葉月部長と出会ってから、私は随分と変わったように思う。
全てが上へ向かうのならいいけど、嫉妬や独占欲、下へと向かう気持ちもあるから困ってしまう。
社食へ向かう葉月部長の後ろを、香水臭いかわい子ちゃん達がゾロゾロと付いていく。
どうせ社食は込み合っているから、みんなで同じテーブルでランチなんてできるはずない。
葉月部長もそれを分かっているから、ちょうど激混みのこの時間を狙って昼休憩に入るのだと知っている。
男だらけのテーブルの一つだけ空いている席にサッと座って、女子社員の隣に座らないようにしてくれるのは、私のためであるということも知っている。
それでもイライラしてしまう、余裕のないこの心。
ああぁぁ……嫌だ。
きっと自分に自信がないから、そう思うんだろうね。
少しは女らしくしないとと思い、この前マスカラを買ってみたんだけど、目をこすることもできないのが気になって仕方なくて、1日で挫折した。
パンツスーツか、タイトスカートの地味色オフィススーツしか持っていない私。
デパートでピンクのひらひらしたオフィススーツを試着してみたけど、似合わなすぎて自分で失笑。買えなかった。