オトナな部長に独占されて!?
恐る恐る振り向くと、呆れたような顔で私を見下ろす葉月部長がいた。
「高村係長、確か9ヶ月前にも同じミスをしていたように思いますが。
コピー機は高価な備品です。感情をぶつけるのはやめて下さい」
「す、すみません……」
その通りで、言い訳なんかできやしない。
係長なのに、こんな馬鹿なミスして恥ずかしいよ。
葉月部長は女子に囲まれて喜んでいるわけじゃないんだから、いちいち苛立つのはやめないと。
恋愛を仕事に持ち込むなんて、私はダメダメじゃないか……。
叱られてシュンと肩を落として反省していると、最近私を敵認定している立花萌が喜んでいた。
「葉月部長が、怒ってるぅ〜!
私ぃ、最近気付いたんですけどぉ、部長って円香先輩に特に厳しいですよねぇ〜。
私も似たようなミスしちゃったことがあったけどぉ、部長はコピー機を止めてくれただけで、一言も怒らなかったのにぃ。
怒られない私と、怒られちゃう円香先輩の違いって、なんでしょうね? キャハッ」