オトナな部長に独占されて!?
アフターストーリー
リクエストして下さった読者様、ありがとうございました。
お礼の気持ちを込めて、小話をひとつだけ追加させてもらいます。
◇◇◇
11月下旬。
葉月部長と出会ってから、一年があっという間に過ぎ去っていた。
平日の私達の関係は、あくまでも上司と部下。
甘さはごく控えめで、日々忙しく仕事に邁進している。
その分、休日のふたりの時間は、とても甘くて……。
今日は日曜日。
葉月部長のマンションにお泊りした私は、彼の隣で目が覚めた。
まだぼんやりしている視界に、美しい筋肉質の半裸と綺麗なブラウンアイズが映る。
「円香さん、おはようございます」
目覚めの挨拶に返事を返そうとしたけれど、その前にハッとして、慌てて毛布を肩の上まで引き上げた。
葉月部長だけじゃなく、私も服を着ていない。
昨夜ベッドに入る時に着ていた部屋着は、今はベッドの下に落ちている。
恥ずかしがる私に葉月部長は、笑いながら服を拾って渡してくれた。
その後はふたりで一緒に簡単な朝食を作って、ダイニングテーブルに向かい合う。
温めたクロワッサンとベーコンエッグ。
グリーンサラダにフルーツ。
色違いのマグカップには、彼が入れてくれた湯気立つ珈琲が。
ああ、幸せだな……。
そう思っていると、葉月部長は窓の外に視線を向けてから、私に言った。
「天気も良いので、今日はどこかに出かけましょうか。行きたい場所はありますか?」