オトナな部長に独占されて!?
基本、外に出るのが好きな私。
お出かけには賛成なのだけど、すぐに行き先が浮かばない。
クロワッサンをもぐもぐしながら「うーん」と悩んでいると、目の前のイケメンフェイスが素敵に微笑んだ。
「それでしたら、ドライブにしましょう。
車を走らせながら、寄りたい場所を探しましょう」
「わっ! 楽しそうです」
出かける支度を済ませて、マンションの最上階から地下の駐車場へ下りた。
葉月部長の車は、白のアウディ。
車に関してはよく分からないけど、高そうな輸入車であることは見てわかる。
そんな車の助手席は『円香さんの指定席ですよ』と常々言ってもらえていて、乗り込むとすぐに心地よいエンジン音を響かせて、車は秋晴れの街に走り出た。
東京の街をゆっくりと走る車は、明治神宮の近くを走っている。
イチョウ並木が黄金色に色づいて、美しい。
都会の紅葉を楽しみつつ、あてもなく走り続けた車は、しばらくして一軒のお店の手前でウインカーを上げた。
「ここに寄るんですか?」
「はい。寄ってみましょう」