オトナな部長に独占されて!?
葉月部長は優しく上品な笑顔を浮かべ、隣にと私を誘っていた。
心臓がドキンと跳ねたけど、やっぱり悔しさが先行してしまう。
「今日中にやるべきことが山積みですので、仕事に戻ります。失礼します」
「高村さん……。
何か抱えているのでしたら、遠慮せずに相談してください。
あなたの力になりたいと思っています」
無言で一礼し、屋上のドアに向けてカツカツとヒールを鳴らして歩いていく。
私はひとりで生きられる強い女になりたい。
そう思って、田舎を飛び出したんだよ。
葉月部長から『隣に…』と言われた時、ちょっとだけ心が揺れた気がするのは気のせい。
男なんかに、寄り掛りたくない。
さあ、仕事しなくちゃ。