オトナな部長に独占されて!?
「円香先輩も一応女ですから、私のこの悲しみを分かってくれますよね?」
立花萌はパッチリお目々をウルウルさせて、同情を引こうとしてくる。
悪いけど、同情は引けないよ。
ドン引きならしてあげるけど。
例え相手がイケメンだとしても、なんで男の茶を入れたがるのか、私には理解不能だ。
自ら進んで男のしもべになろうとするなんて、まるで私の母親みたいで吐き気がする。
それに葉月部長だって迷惑がっているんでしょ?
スッパリ諦めたらいいのに。
立花は若いし見た目が可愛いから、男性社員達に人気だ。
葉月部長がダメでも、他の男共ならきっとウハウハ喜ぶだろうから、そっちに茶でも甘酒でも出してやればいい。
そういった趣旨のことを、破れかけたオブラートに包んで言ったら、「ひどぉいっ!」と耳元で叫ばれてしまった。
「円香先輩だって、恋したことあるでしょ?
私、とっても真剣なんです。運命感じちゃったんです。
なんとか接近する方法を、一緒に考えてくださいよぉ!」
「えー……(面倒くさい)。また今度ね。
取り敢えず、アポイントの時間があるから、仕事に行かせて」