オトナな部長に独占されて!?
上司への報告などで、この時間帯の営業部のフロアはザワザワしている。
その為、立花萌と部長の会話は聞き取れないけど、何を話しているのかは容易に推測できた。
「葉月部長、お疲れ様で〜す。
疲れた時には甘い物がいいって言いますよね?
今日は私、部長の為にクッキーを焼いてきました。もらって下さ〜い(ハート)」
「それはどうもありがとうございます。
後ほど、残業中の皆さんと一緒にいただきます」
「え……皆さんと?」
「はい。何か問題でも?」
「いえ、その、えーと(気を取り直して)
部長、もしよろしければ〜、この後一緒にお食事でもどうですかぁ?
今日ネットで美味しいって評判のイタリアンのお店を見つけてぇ、会社の側だし一度行ってみたいなぁって思ってぇ」
「ほぅ。立花さんは業務時間中に、仕事をさぼって飲食店の情報を調べていたということですか。
それならば、君に注意しないわけにはいかないのですが」
「あっ‼︎ 違います! 調べたのは今日じゃなくて昨日の夜でした!
すみません、私はこれで……お疲れ様でしたぁ〜(ガッカリ)」