オトナな部長に独占されて!?




ぐらぐら揺れる心に戸惑いつつ、資料をファイリングし終えた時、

「終わりました。確認してもらえますか?」

と葉月部長に言われた。


「えっ⁉︎ もう早⁉︎」


驚いて立ち上がり部長の側でパソコン画面を覗き込むと、そこには完璧なプランが作り上げられていた。


私が設計部の人たちと相談した物に手も加えられていて、凄いとしか言いようのない仕上がりだ。


葉月部長って……本当に頭の良い人なんだ……。

しかも1時間は掛かると思っていたのに、わずか10分で終わらせてしまうなんて……これじゃ、悔しいという気持ちさえ湧かないよ。



葉月部長が立ち上がる。

呆然としている私を見てクスリと笑い、
「高村さん、夕食は済ませましたか?」と聞いてきた。



「まだです」


「私もまだなので食事をしてから帰宅しようと思うのですが、ご一緒にいかがですか?」


「私と部長のふたりで……ですか?」


「はい。あなたが嫌でなければ、そうしてもらいたいと願っています」


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