オトナな部長に独占されて!?
声をかけたのは私だけど、そこから先はスルーした。
このカフェオレは、恋愛的な意味合い?
私に限って、そんなわけない。
きっとここのところ、激務が続いている私を見て、同情した誰かが置いてくれたんだろう。
折角なのでカフェオレをありがたく頂くことにして、半分飲んでから仕事を始めた。
葉月部長とふたりで食事をしたあの日以降、私の仕事量は倍増していた。
あの日の残業中に部長は、仕事量の振り分けに問題があったと私に謝り、もっと他の人を頼った方がいいとも言っていた。
それにも関わらず、仕事量は減るどころか増える一方。
自分で見つけてきた営業先以外の顧客もどんどんこっちに回されて、心の中は『なぜ?』という思いでいっぱいだった。
日中は外を奔走し、毎日深夜残業の私。
係長に聞いてみたら、『それは……上に言われただけで、僕にはわからなくて、えーと……』と、言葉を濁されて終わった。
上に言われた?
上って、もしや……。