オトナな部長に独占されて!?
自分の中で色々と推測した結果、今では一つの結論に達していた。
私はやっぱり、葉月部長に嫌われたんだ。
あの夜、自分の生い立ちや、男を非難する言葉をうっかり吐いてしまった。
部長も男なのは分かっていたけど、それでも葉月部長なら、こんな私を受け止めてくれる気がして……。
それが間違いだったみたい。
葉月部長は私を見限った。
ムカつく部下だから、仕事をどんどん回して潰してしまえと思っているのかも。
それに気付いた時はショックで落ち込んだけど、今は心の中が怒りと悔しさでいっぱい。
こんなんで、潰されてたまるか。
どれだけ多忙でも、こなしてやるから。
よく考えたら、仕事を回してもらえるのは好都合。
契約を取って取って、取りまくって、下半期の営業成績でトップになってやるんだから!
それから、一時間後。
営業部の社員たちは、ちらほらと帰り始める人もいた。
立花萌は今夜は合コンらしく、とっくにいない。
葉月部長は諦めたのか?
いや、今日もしつこく付きまとっていたみたいだし、合コンと本命は別物なのかも。
いくらか静かになったフロアでパソコン画面に集中していたら、ポンと肩を叩かれた。