オトナな部長に独占されて!?
そんな訳で、下半期の営業成績トップだった私は、ビリだった立花萌に泣きつかれた。
「円香先輩、お願いします〜。2件だけでいいんで、契約数を譲って下さい〜。
このままだと私、営業部から追い出されちゃうかもしれないんですぅ〜シクシク」
自業自得でしょと思いながらも、一応、先輩らしく指導してみた。
「契約を譲ることはできないよ。そんなことしてもバレるに決まってるし、何よりお客さんに迷惑かけたくないから。
成績表は出ちゃったけど、下半期は三月末まで。あと一週間残っているんだよ。
泣いてる暇があるなら、外回りしてくれば?」
「外は嫌〜。紫外線はお肌の敵だしぃ、足もむくんじゃうし、疲れるし、面倒くさいしぃ」
「あんたね……。本気でそう思ってるなら、立花に営業は無理だよ。庶務にでも移動願い出した方がいいんじゃないの?」
「そんなの無理! 葉月部長がいない部署なんかで働けないです!
私と部長の恋は、これからどんどん進展するんですぅ。社食でベタベタしたり、会議室でイチャイチャしたり、残業中にラブラブしたりぃ……」