片思い二年、私の恋は叶わない
落ち着かない。
会社の帰り道に見つけたいつもいくお気に入りの喫茶店。
向かいの席には、恋敵。
昨日呼んだ時にはこなかったくせに、なぜか今目の前にいる。
「…で?」
注文したコーヒーを一口飲んだ後、小野田翠が言った。
「なんで昨日はこなくて今目の前にいるのよ」
「夜は眠いだろ」
確かに深夜に突然呼び出されたら、断るだろう。
そんな常識外れの行動をしていたことに今更気づいた。
運ばれてきたキャラメルラテを一口飲み、肩の力を抜いた。
「寧と親友だって?」
先をこされてしまった。
彼は客の少ない店内を見渡し、私を見た。
「何か問題でも?」
気持ちを見透かされている気がした。
「…寧はやめとけ」
「なんでそんなことあなたに言われなきゃいけないのよ」
怒鳴りたいのを必死で抑え、平静を装っていった。